つい先日、北方謙三氏の水滸伝の文庫本の最終刊が書店に並んだ。
ず〜っと、買って読んでいる。毎月配本の月末を待って待って、ようやく最終回。とてつもなく面白い作品だ。
文章の間に英傑の血が流れ出してきそうなくらい、リアリティーに富む。
水滸伝の原典(または吉川英治の)を読んでいないので何とも言えないが、巻末の解説に書いてあるように、随分北方謙三氏の水滸伝は物語的に良くなったらしい。
私はこの水滸伝しか読んでいないので分からないが、今度は吉川英治の水滸伝を読みたいと思った。
この物語を読んで、中国の官僚の腐敗がよく書かれていると思った。搾取、贈収賄、密告など、ありとあらゆる権力の横暴は、現代の日本、中国にも色濃く残っていよう。
特に今回の四川省の大地震の、学校建築物の崩壊はその典型だと思われる。
その諸悪の根源(?)とも言うべき中国独特の官僚登用試験の「科挙」については、浅田次郎氏の「蒼穹の昴」にもよく描かれている。一度読まれたらいかがだろうか。