昨日、TBSの「余命1ヶ月の花嫁」を観た。

この放送を観ようと思ったのは、妻の勧めと番組のタイトルに引かれたからだ。

冒頭での長島千恵さんの花嫁すがたには、彼女の病状の重篤さが微塵も感じられなかった。しかし、後半に彼女のその前後数日の模様が映され、その病状の深刻さが分かったとき、彼女の笑顔の陰にかくれた24年という短くも壮絶な生き様に、否応無く深い感動を受けた。


彼女の笑顔の源は、周囲の人に対する優しさなのではないかと思う。

病室のインタビューのシーン、ベッドの上で健気にで語った彼女の言葉。

「感謝、感謝じゃ足りないくらいみんなにお世話になっています。日本語で感謝以上の言葉はないんですかね? 文才がなくてわからない…」

彼女の思いやりや優しさが、感謝以上の何か重要なことを伝えてくれた。


「今、病室で何してるの?」


「生きてる…」


彼の問いかけに答えたその瞬間、カメラに映し出されたのは、生きることへの真剣な眼差し。そこには何の誇張も偽りもない。わずか数日間見せてくれた彼女の日常は、ほんのささやかな幸せの積み重ねが、生きていることの重要さと同じなんだということを教えてくれた。

と同時に、周りの人々の言葉、行動、表情にあふれんばかりの慈愛を感じた。お互いの“思いやり”が、お互いに生きる気力を与える事実。


友達が必死の思いで探してくれた教会での結婚式のシーン。

酸素ボンベを自らはずし、きっと苦しいだろうに健気にふるまう彼女の顔。優しく彼女の手に触れている彼の手に、恥ずかしげに頬を寄せる彼女の表情に、心の状態、優しさのレベルが如実に表れている。こんなに安らかでこんなに神々しい笑顔を、私は今まで見たことがない。


今、改めて生きるということを考える機会を与えてくれた、長島千恵さんとその周りの人たちに深い感謝を表したい。

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