午後から、NHKで放映された「こころの時代~宗教・人生~ シリーズ 私にとって
の3.11新たな哲学に挑む」の録画を見た。
政府の復興構想会議で、名誉議長を務めた哲学者・梅原猛さん(86)が出演され
た。今回の震災を「文明災」と位置づけ、議論に大きな影響を与えた。
梅原さんは、3.11を機に20年来温めてきた「人類哲学」に着手。人間が自然を
支配する西洋哲学に代わって,日本の伝統思想をはじめ西洋哲学以前の人類の英
知を現代によみがえらせようという。
お話の中で「草木国土悉皆成仏」という言葉を使われた。人間だけではなく、動物
や鳥、植物や雪なども怨霊となって現われ、鎮魂されて成仏するという考えだそうだ
よく考えれば、人間は人間だけにひどいことをして怨みをいだかれているのではな
く、動物や植物や大地に対して、殺戮や大伐採による砂漠化などの環境破壊を「文
明の進歩」の名の下に当然のごとくやってきました。人間中心主義の身勝手な発想
を無反省に続けていたら駄目だと梅原先生は心底から思っておられる。
夕方から少し遠出の散歩をした。山には自然の馬酔木が花をつけ、沈丁花の花
の香、梅の白い花美しい。菜の花の向こうでは田植えの準備が進められていた。
普段車で通るときには気付かない天草の春の自然の息吹を感じることができた。
まだまだ天草には多くの素晴らしい自然と農業漁業をはじめとする豊かな営みが
ある。これからは経済的な「文明の発展」から、自然と共存する暮らしや文明の創
造を意識してみたいと思った。
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