天草方言と【古語辞典】と(PDF) 
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【古語辞典】に見られる天草方言 (あ行~こ行)


相方【あいかた】  相棒  相手
愛嬌【あいきょう】  愛敬 愛想 会釈
彼奴【あいつ あやつ】三人称 あの奴   〔彼〕の卑語
間中【あいなか】  中間
間の手【あいのて】  相槌  ②片手間 時たま
歩ぶ【あいぶ】 歩く
相惚れ【あいぼれ】  相愛
相身互い【あいみたがい】  お互い様
あいや【あいや】  否々それは違う  ちょっと待った
阿吽【あうん】  相対の語
饗【あえ】  酒食の持て成し 宴 饗宴
喘ぐ【あおぐ】 息を切らす
仰のく【あおなく】 仰向く
明かうなる【あこうなる】  明るくなる
足掻く【あがく】 もがく
灯【あかし】  燈火 灯明 みあかし 「あかしつくる」
証【あかし】  証明 証拠
赤すかべい【あかんべー】 赤目 ②反目の仕種
赤恥【あかはぢ】 人前で大恥をかく
贖ふ【あがなう】  弁償する 償う
崇む【あがむる】  崇拝する 尊敬する
顎【あぎ】  あご  顔の下部
厭き倦む【あぐむ】 飽きる 持て余す
商ひ【あきにゃー あきねー】 商売
諦む【あきらむる】 諦める
呆る【あきるる】 呆れる
開く【あく】 開く
飽く【あく】 飽きる
灰汁【あく】 野菜から出る渋い液
悪業【あくごう】 報いを受ける様な悪事
悪性【あくしゃ】  迷惑 厄介 辟易する 「あくしゃうつ」
悪態【あくたう】 悪口雑言を言う
悪どし【あくどか】  あくどい 諄い しつこい
揚ぐ【あぐる】 揚げる 油に浸して煮る
挙ぐ【あぐる】 挙げる
胡座【あぐら】  足座 安座 「あぐらかく」
揚げ足【あげあし】 ことば尻を取る
挙げ句【あげく】 最終的に
明け暮らす【あけくらす】 月日を送る
論ふ【あげつらう】  議論する 煽てる
明け六つ【あけむつ】  朝6時の鐘
上げ申す【あげもす】 差し上げる  供える
あけらかん【あっけらかん】 平然とした様子
顎【あごた  あごたん】 顔の下部
朝駆け【あさがけ】 早朝 早朝に事を済ます
嘲る【あざくる】  あざ笑う  人を小馬鹿にする
朝東風【あさごち】 朝吹く東風
朝立ち【あさだち】  早朝家を出る ②勃起する
明後日【あさって】  明後日
朝腹 【あさっぱら あさっぱち】  早朝 ②朝食前
字【あざな】 愛称  通称
糾う【あざなう】 縄を綯う 撚り合わせる
朝な夕な【あさなゆうな】  朝夕に  朝晩
浅はか【あさはか】 考えが浅い 浅薄 軽率 ②未熟
浅まし【あさましか】 卑劣だ 見苦しい  情けない
欺く【あざむく】  裏切る 見くびる だます

漁る【あさる あしぇる】  魚貝を採る  ②探す 掻き回す

あざれる【あざるる】 巫山戯る ②飽きるほどに
嘲笑ふ【あざわるう】 軽蔑笑い
足掛け【あしかけ】  通算して 年月を跨がって 「あしかけ三年」
彼処【あしこ  あすこ】 あそこ ②陰部
足継ぎ【あしつぎ】  踏み台 梯子
あしらふ【あしらう】  待遇する ②取り合わせる
網代【あじろ】 漁場
預く【あずくる あつくる】  預ける
遊ぶ【あすぶ】  好きなことをして楽しむ ②使用を止める
汗水【あせみず】  汗滴 汗みどろ
徒【あた】  悪戯する  邪魔する
仇 敵 賊【あだ】 仇敵 敵 ②仕返し  恨み
徒銀【あだがね】 無駄金
徒口【あだぐち】 無駄口
徒事【あたこと】 悪戯  邪魔
婀娜白し【あだじろか】 妖艶な白さ なまめかしい白さ
徒銭【あだぜん】  無駄金
徒付く【あだちいて】  浮気心を起こして  浮ついて
渾名 徒名 仇名 綽名 【あだな】 愛称  通称
徒花【あだばな】  結実しない花  ②叶わぬ恋
彼方此方【あっちこっち】  あちらこちら  処々方々
扱ふ【あつかう】 物を使う
預く【あづくる】 預ける
借し【あったらしか】  惜しい  勿体ない
集む【あつむる】 集める
誂ふ【あつらゆる】 誂える order ②注文する 依頼する
当つ【あつる】 当てる 割り当てる 言い当てる
当て【あて】 目的 見込み 頼み ②小楯  ③酒の肴
宛行ふ【あてがう】 割り当てる 与える ②添えて導く
宛行ひ【あてぎゃー】 割り前 仕事分担
宛行扶持【あてぎゃーぶち】  割り前 仕事分担
後絶ゆ【あとだえ】 後絶え 継承者が居なくなる
後腹【あとばら】  出産後の腹  ②一段落した後
強ち【あながち】 一概に
侮る【あなどる】  軽く見る 見下げる
荒ら屋【あばらや】  荒れ果てた家  ②自宅の謙称
暴る【あばるる】 乱暴する
浴ぶ【あぶる】 浴びる ②体に受ける  被る
泡【あわぶっく】 泡粒
浴す【あぶする】  浴びせる
仰のく【あおなく】  仰向く  上を向く
焙り籠【あぶりこ】  魚などを焼く金網
炙る 焙る【あぶる】 火にかざして軽く焼く
溢る【あふるる】 溢れる
和へ物【あいもん】  和え物
阿呆【あほ】fool 馬鹿
雨打【あまうち】 雨落  雨内 軒下
甘皮【あまがわ】 木や果実の内側の薄い皮
雨乞【あまごい】  神仏に降雨を祈願する
剩へ【あまつさえ】 その上
遍し【あまねく】 広く一般に
肖る【あやかる】 優れた人に感化して似る
歩ぶ【あいぶ】  歩く
落ゆ【あゆる】  落果  ②落雷  ③降雨  ④汚れが落ちる
粗々【あらあら】 大雑把 ②殆ど
荒くまし【あらくましか】  荒っぽい
灼か【あらたか】 神仏の霊験が著しい
有らぬ【あらンこつ】 関係無いこと
有り処【ありか】  物の在る処
有り難し【ありがたか】 有り難い
有り切り【ありきり】 全部
歩く【ありーて】  歩く  「ありっさるく」
有り様【ありさま ありよう】  実際  ありのまま
彼【あれ】 奴 ②あそこにある物
会わす【あわする】 会わせる 面会させる
合わす【あわする】 合わせる 同調する  ②混合する
慌つ【あわつる】  急く
安閑【あんかん】 安気で
安気【あんきか】  気楽  呑気  心配ない
あんぢょう【あんじょう】  首尾良く  具合良く
塩梅【あんびゃー】  塩加減  ②程合い  ③体調
結ひ【いー】 結い ②労働力の相互扶助
言うともなし【いうともなか】  言いたくもない
言ふ舞ひ【いうみゃー】 言わないことにしよう
如何様【いかさま】  偽物  いんちき  誤魔化し
啀む【いがむ】  言い争う  罵る  ②獣の威嚇発声
歪む【いがむ ゆがむ】  歪む  ねじれる
厳し【いかめしか】  威厳がある
生き上がる【いきあがる】  生き返る  甦る
行き遭わす【いきあわせる】 遭遇する
行き掛け【いきがけ】 行く途中
行き過ぎ【いきすぎ】 通り越す ②度を超す
息急き【いきせっきって】 息を切らして
行き着く【いきつく】 目的地に到着する  到達する
行き詰まる【いきづまる】 解決法が無くなる
息詰む【うけづむ】 息む
生き恥【いきはぢ】 人生上の恥辱
行きやしょう【いきやっしゅい】 行きましょう
行きゃる【いかる】  お行きになる 〔行く〕の敬語
息詰む【うけずむ】  息む  力む
井川【いごう】 湧水井  井戸
潔し【いさぎよか】  手早い  ②思い切りがよい
石敲き【いしたたき】 鶺鴒
虐む【いじむる】 苛める
抱く【んだく】  抱擁する  抱える
病む【いたむ】  病気する 傷つく
出づ【いづ づる】 出る 外へ行く 現れる
一家【いっけ】 親族
一向に【いっこうに】  一向に 一途に 只管
一切【いっさい】  全て 残らす
一【いっち】  一番 一等 最も 最高 「いっちよか」
一張羅【いっちょうら】  晴れ着
一時【いっとき いっどき】  ひととき 瞬時  ②同時に
否【いんにゃ】 否違う
今々【いまいま】 今し方
戒め【いましめ】 懲らしめ
去ぬ 往ぬ【いぬ いぬる】  行ってしまう
卑し【いやしか】 食い意地が汚い
苛々【いらいら】  気が急く
弄ふ【いらう いじる】  弄る  弄ぶ 触る
入り目【いりめ】  経費 出費 費用
入る【いる】 入れる
炒る 煎る【いる】  炙り焦がす ②虐める
因果【いんぐゎ】  原因と結果
魚【いを】 活魚
上無し【うえなし】  最上
浮き世 憂き世【うきよ】 この世  無常の世
受く【うくる】 受ける
胡散臭い【うさんくさか】  怪しい
氏子【うじこ】  氏神を守る土地の人々
丑三つ時【うしみつどき】  午前二時頃
後ろめたし【うしろめたか】 後ろめたい  やましい
失す【うしつる】  捨てる  無くする
埋む【うずむる】  埋める
微笑ふ【うすわるう】  嘲り笑う
失せろ【うしぇろ】 立ち去れ 出ていけ 帰れ
抱く【んだく】  抱く
転た寝 仮寝【うたたね】  仮眠
打ち返す【うちかやす】  耕す ②繰り返す 病気が再発する
氏神【うじがみ】  生まれた土地の守り神
打ち敷き【うちしき】  仏壇の敷物
内普請【うちぶしん】  家の内部改装
打ち撒き【うちまき】 神事でお祓いの散米
内股膏薬【うちまたごうやく】定見のない人  両天秤
鬱陶し【うっとうしい】 陰鬱だ
俯す【うつぶする うつぶせる】 腹這う ②下向きになる
現々【うつらうつら】浅い眠り まどろみ
移り【うつり】 贈り物に対する返礼の品  お返し
移り香【うつりか】  移り香
空【うつろ】 空洞
疎い【うとか】  知識が乏しい ②疎遠
項【うなじ】  襟首
己【うな】  己  自分 ②相手を呼び捨てにする卑語
産土【うぶすな】 郷土の守護神  氏神 鎮守《日
郁【ウベ ウンベ ンベ】 アケビ科常緑蔓性低木
甘し【うまか】 美味しい
生まる【うまるる】 生じる 誕生する
生れ在所【うまれざいしょ】 生誕地
海辺【うんべた】  海岸
埋る【うむる】  埋める
呻く【うめく】  苦しみで唸る
植ゆ【うゆる】  植える
末【うら】 梢 
うらぶる【うらぶるる】 わびしい
恨めし【うらめしか】 恨みに思う
潤ひ【うりー】 慈雨
瓜実顔【うりざねがお】色白で細面の顔
瓜坊【うりぼう】  猪の子ども
憂ふ 愁ふ【うれう】  嘆く
うろうろ【うろうろ】  疑わしい ②歩き回る 
胡乱【うろんころん】  不審 怪しい ②彷徨する
蟒蛇【うわばみ】 大蛇
己 汝【うん】 〔君は〕の(卑語) 貴様  お前
永劫【えいごう】  極めて長い間
要なし【ようなし】 お役御免 役に立たない
依怙地【えこじー】 片意地
依怙贔屓【えこひいき】  片方だけを贔屓する
得知れぬ【えしれん】 至らない
えずい【えずい えずか】  怖い ひどい ②醜い
似非【えせ】 偽物
似非笑う【えせわるう】 嘲り笑う せせら笑う
肢【えだ】  四肢  手足  肩
肢骨【えだぼね】  手足の骨 肩の骨
得手【えて】 最も得意なこと
得手勝手【えてかって】  自分勝手 我が儘
胞衣【えな】  胎児を包む膜  胎盤
縁【えにし えん】 縁 縁 縁故
衣紋掛け【えもんかけ】  衣桁  ハンガー
偉い 豪い【えらか】 身分や地位が高い
生し上ぐ【おうしあぐる】  育て上げる 育成する
往生【おうじょう】 死ぬ
横着【おうちゃく】  横柄
横道【おうどか】 横着で乱暴
仰のく【おうなく】 仰向く
可笑し【おかしか】  可笑しい 滑稽だ ②不味い
御壁【おかべ】  豆腐
燠【おき】  炭火
燠る【おきる】 着火する ②勃発する ③起動する
御髪【おぐし】 頭髪 髪の毛
奥手【おくて】  遅咲き ②晩稲
強飯【おこわ】  赤飯
長【おさ】 代表者
惜し【おしか】 惜しい
お仕着せ【おしきせ】  奉公人に与える衣服
押し付く【おしつくる】 押し付ける
押し並べ【おしなべて】総じて
教ゆ【おしゆる】teaching 知識や技術を取得させる
遅し【おそか】 遅い
御陀仏【おだぶつ】 死ぬこと
怖づ【おずる】 怖じ気る
押し遣る【おっしゃる】 先に延ばす
追っ付け【おっつけ】  やがて 間もなく
押っ取る【おっとる】  奪う 取り上げる
驚かす【おどかす】 驚かす 相手をびっくりさせる
己【おどれ おどりゃ】  「お前」の卑語
驚し【おとろしか】  恐ろしい 怖い
女御【おなご】 女性
御初穂【おはつお】 神仏へ供える初物の収穫物
生し上ぐ【おおしあぐる】 一人前に育て上げる
生ほす【おおす】 養育する  手を尽くして育てる
果す【おおす】 果す 成し遂げる  「逃げ果す」
仰す【おおせ】 仰る
おぼつかなし【おぼつかなか】  頼りない 気がかりだ
大様【おうようか】  おおらか 寛大 拘らない
覚ゆ【おぼゆる】 覚える
御前【おまえ】  神仏や貴人の前 ②仏間の前  ③あなた
大御おつけ【おみおつけ おつけ】 味噌汁
喚く【おめく おらぶ】  大声で叫ぶ
阿る【おもねる】 追従する おべっかを使う
母屋【おもや】 本家
親里【おやざと】 実家
生ゆ【おゆる】 生える
御入ゃる【おらる おりゃる】 「居る」の上代敬語
折る【おるる】 折れる 曲げて切り離す ②気持ちを抑える
下る【おるる】 下りる ②金が支給される
降る【おるる】 乗り物から降りる
おろ【おろ】不良 不都合
おろ覚え【おろおぼえ】  うろ覚え
おろよし【おろよか】  善くない 悪い  粗末 粗悪
御坐さぬ【おらっさん】  「居ない」の上代敬語
御坐す【おらす】  「居る」の上代敬語
生はる【おわる】  芽生える 生じる
開枕【かいちん】《梵語》 就寝時刻 午後九時
嚊【かか かかぁ】  「家内」の卑語
掛り湯【かかりゆ】  上がり湯
抱へる【かかゆる】 雇う 賄う ②妊娠する 庇護する
掻きたくる【かきたくる】 しきりに掻く
欠き餅【かきもち】  切り餅
欠く【かぐる】 欠ける
囲ふ【かくう かこう】  匿う 隠す  貯蔵 ②妾にする
匿ふ【かくまう】 隠匿する
掛け合ふ【かけあう】 折衝する
掛け樋【かけい】  水を引く樋
陰膳【かげぜん】  密かに安全祈願の霊膳を供える
掛け矢【かけや】  木槌
加減【かげん】 程度
水夫【かこ】 乗船員
屈む【かがむ かごむ】  屈む しゃがむ 腰を曲げる
託く【かこつくる】  難癖つける
瘡【かさ】 腫瘍
風穴【かざあな】 風通し
挿頭【かざし かざし餅】  飾り餅 ②餡なしの餅
重ぬ【かさぬる】 重ねる
炊き【かしき】 炊事
畏【かしこか】 恐れ多い  尊い
潜く【かずく】  潜水する 水に潜る
掠む【かすむる】 掠める 盗む 奪い取る
貸す【かする】 人に使わせる 力や知恵を与える
掠る【かする】 引っ掻く
数ふ【かぞゆる】 数える
潟【がた】 干潟 遠浅
傾く【かたぶく】  傾く ②衰退する
担ぐ【かたぐる】 担う 背に負う
片一方【かたいっぽ】 一対の片方
傾く【かたぶく】 傾く
徒【かち かちあるき】  徒歩
且々【かつがつ】  片っ端 次々に
語る【かたる】 話す
傍ら【かたわら】  側  側近
傍ら痛し【かたわらいたし】 側にいて心苦し
徒【かち かちあるき】 徒歩 歩く
徒荷【かちに】 手荷物
餓る【かつれる】 腹が減る
且且【かつがつ】 次々に
糅て【かってくう】 添えて食べる
糅て飯【かてめし】 野菜を混ぜた炊き込みご飯
がてり【がてりゃ】 序でに
合点【がてん がってん】  納得 同意 承諾
誘拐す【かどわかす】  誘拐する だます
叶ふ 適ふ【かなう】 思い通りになる
金縛り【かなしばり】  体の硬直
兼ね合ひ【かねあい】  釣り合い
予ねて【かねて】 予め  前もって
蕪【かぶ かぶら】  菘
傾く【かぶく】 傾く ②頭(穂)を垂れる
頭【かぶり】  頭 「頭振る」
被る【かぶる】  頭を覆う ②被害を蒙る ③責任を取る
構へ【かまえ】  家の構造物 門 垣
框【かまち】  建具の化粧枠
上座【かみざ】 上席  貴賓席
髪文字【かもじ】(女御言葉) 髪 ②添え髪
絡繰り【からくり】 仕掛け 装置
屍櫃 空櫃【からと】 神を祀る石の祠
乾ぶ【からぶる】  乾く  乾燥する  ②種痘が乾く
かり上ぐ【かりあぐる】 絡げ上げる
枯る【かるる】 枯れる
かろふ【かるう】  背負う ②負担する
皮切り【かわきり】  最初のお灸 ②行事の最初
河童【がわっぱ】 河童
厠【かわや】  雪隠 便所
土器【かわらけ】  素焼きの土 ②無毛の性器
寒晒し【かんざらし】  寒気に晒す
堪忍【かんね かんねん】 勘弁 御免
葱【ともじ】 ※(一文字) 葱 小葱 分葱
帰依【きえ】《梵語》  神仏を信仰する
聞かす【きかす】(上代敬語) 聞かれる お聞きになる
聞き合はす【ききあわする】  色々聞いて考え合わせる
聞き繕ふ【ききつくろう】  よく聞いて検討する
利ける【きくる】 効能がある
聞こゆ【きこゆる】 聞こえる
気根【きこん】 根性が座っている
気散じ【きさんか】  構わない ②呑気
気色【きしょく】  気分 顔色
軋む【きしる】 擦れ合う こする
着す【きする】 着せる
鍛ふ【きたう】  鍛える
汚し【きたなか】  汚い 不潔
北枕【きたまくら】 枕を北にして寝る
きつい【きつか】  苦痛 つらい
切っ端【きっぱし】  先端
来と来【きとく】  来を重ねて強調する  来て待っている
木戸口【きどぐち】  入口の扉
黄ばむ【きいばむ】  黄色を帯びる
気骨【きぼね】 気苦労 心配
気の毒【きのどっか】 気の毒だ
肝煎り【きもいり】  仲介 世話
肝煎る【きもいる】 仲介する 世話する
肝潰す【きもつぶす】  仰天する 驚く
脚達【きゃたつ】  踏み台 足継ぎ
脚絆【きゃはん】 脛に巻く布
消ゆ【きゆる】 消える
仰山【ぎょうさん】  たくさん 多く
行水【ぎょうずい】  水で体を清める
仰らし【ぎょうらしか】 仰々しい
局る【きょくる】 冷やかす
切らず【きらず】  雪花菜  卯の花 豆腐のかす
限々【ぎりぎり】  極限
切り盤【きりばん】  俎 俎板
愚らし 暗し【ぐうらしか】哀れだ 可哀相だ
潜る【こぐる】 物の下を抜けて通る ②もぐる
絎ける【くける】  縫い目を隠し縫いする
臭し【くさか】  臭い  ②疑わしい
鏈る【くさる】 果物が鈴生りしている
鏈る【くさる】  連なる ②鈴生りになる
抉る【くじる】  抉る  穿る
燻り【くすぶり】  燻り  煤け
燻る【くすぼる】 燻る 燃えないで煙る
くすねる【くすぬる】 猫婆する
崩る【くずるる】 物が壊れる
曲物【くせもん】  怪しい者
くたくた【くたくた】 元気がなくなる
下す【くだす】 下痢する 決定する
草臥れ【くたぶれ】  疲れ
口惜し【くちおしか】 口惜しい
口ぎたなし【くちぎたなか】言葉が下品 ②食い意地が張る
口切り【くちぎり】  食事制限 食断ち
口叩く【くちたたく】  饒舌
蛇【くちなわ】  朽ち縄 蛇
嚔【くしゃみ】  くしゃみ
竈突【くど】  竈  料理の煮炊きするところ
曲る【くねる】 体を捻じる
縊る【きびる くびる】  括る  結ぶ 結わえる
窪む【くぼむ】become hollow 凹む
隈無し【くまなし】  抜かりなく
工面【くめん】工夫 device 遣り繰り
供物【くもつ】  神仏の供え物
公役【くやく】  奉仕作業 公課作業 課役
悔し【くやしか】 口惜しい
崩ゆ【くゆる】 崩壊する 朽ちる ②腐れる
喰らう【くらう】  飲食する ②身に受ける
暗がり【くらがり】 暗いところ
暗隅【くらすみ】  暗がり 暗いところ
くらはす【くらわす くらーする】 殴る 打つ 叩く
庫裏 庫裡【くり】《梵語》 寺院の台所
厨【くりや】 台所 厨房
呉る【くるる】 呉れる 与える 差し上げる
暮る【くるる】 暮れる
榑【くれ】  原木 丸太
暮れ六つ【くれむつ】《梵語》 暮れの六時に打つ寺の鐘
会席【くゎいしぇき】 会席料理の略
懐中【くゎいちゅう】 懐中  懐
菓子【くゎし】  お菓子
火事【かじ くゎじ】  火事
加はり【くわわる】共同作業 労働交換

過分【かぶん くゎぶん】  程度を超える 必要以上
加ふ【くわわる】 加担する 参加する 仲間に入る
果報【かほう くゎほう】  因果応報 善い報い
勧進【かんじん くゎんじん】  托鉢修行の僧侶 ②乞食
鑵子【かんす くゎんす】  お湯を沸かす器具
袈裟懸け【けさがけ】 斜めに紐を掛ける
下作【げさっか】  品格が劣っている
怪しからぬ【けしからん】  不届きだ 許せない
襃 襃稲【けしね】  自家用穀物  「けしねぼり」
下種 下衆【げす】 卑しい者 身分が低い者
解せぬ【げせん】 理解できない 納得できない
卦体【けったい】 風変わり  奇妙
けつかる【けつかる】 〔ある 居る〕の卑語
外道【げどう】 卑しい奴
今日【きゅう】 本日
煙たし【けぶたか】 煙たい
煙【けぶり】  煙
げな【げな】 …らしい
気に叶わぬ【げにかなわん】 力量不足
験【げん】 霊験 効験 「験担ぎ」
現当【けんとう】 縁起
げんなり【げんなり】  気力がなくなる
業【ごう】 前世の報いをこの世で受ける
巧者【こうしゃか】利口者だ 賢い  気が利いている
講釈【こうしゃく】  教義の意味を解く ②屁理屈
口銭 貢銭【こうせん】 手数料 仲介料
公道【こうとか】 地味 質素 ②身持ちがよい
寄生虫【ごうな】  郷なし 宿借り ヤドカリ
香ばしい【こうばしか】  香りがよい
こかす【こかす】 倒す ②落とす ③だます
焦がる【こがるる】  焦げる
御器【ごき】  木椀   食器
小切る【こぎる】  魚を料理する ②値切る
御供【ごっくさま】神仏への供え物  佛飯
扱ぐ【こがす】 根から掘り起こす 根扱ぐ
穀断ち【こくだち】 穀類を食べないで願を掛ける
柿【こけら】  木屑  こけら板の略 →こけら落し
転ける【こくる】  転倒する  落ちる
子子し【ここしか】  おっとりして優しい
小言【こごと】 不平 苦情
心安し【ここりやすか】 心安い
小賢し【こざかしか】  油断ならない
刮ぐ【こさぐ】 削りそぐ 削ぎ取る
御座あり【ござりやす ござす ござっす】  ございます
古参【こさん】  古くから仕えている人
輿入れ【こしいれ】 嫁の輿を入れる 嫁入り
甑【こしき】 古式の蒸し器 蒸籠 酒仕込樽
腰巾着【こしぎんちゃく】  上役に従属する人
小癪【こしゃく】  生意気
後生大事【ごしょうだいじ】 物を大切にする
拵へる【こしらゆる】  調理する ②支度する
御仁【ごじん】 お人 お方
狡し【こすか】 悪賢い
御前【ごぜんさま】 貴人の敬称
擽る【こちょぐる】  擽る
こそばゆし【こそばいか こちょわいか】  くすぐったい
挙る【こぞる】 揃って
堪ふ【こたう】 耐える 我慢する
御託宣【ごたく】 勿体ぶる くどい
如し【ごたる】  ごとくある
東風【こち】  東から吹く風
五体【ごちゃ ごてぇ】  胴体両手両足 ②背中
御馳走【ごっつぉ】《梵語》 振舞い もてなし
ごつい【ごつか】 無骨でヤボ 頑固
小作り【こづくり】 小柄
特負【こって牛】  牡牛 役牛
事欠く【ことかく】 不自由する
事欠かぬ【ことかかん】 充足する 間に合う
五徳【ごとく】 鉄瓶を乗せる三脚の鉄輪
事毎【ごとごと】たびたび  事あるたび
事足る【ことたる】  満足する
託く【ことつくる】  托品 ②伝言
託け 言付け【ことつけ】 言伝 伝言
事難し【ことむつかしか】  事態が面倒
熟す【こなす】  熟成する ②処理する 消化する
粉糠【こぬか こんか】 米の糠
媚ぶ【こびる】  媚びる
零る【こぼるる】 零れる
細か【こまんか】  細かい 些事  小さい
細事【こまごつ】 取るに足らないこと
こむらがえり【こむらがえり】  ふくらはぎの麻痺
芥【ごもく】  塵埃
此奴【こやつ】  此の奴  〔この人〕の卑語
肥ゆ【こゆる】 体が肥満になる ②良さが分かる
越ゆ【こゆる】 通り過ぎる
来らすまい【こらすみゃ】 〔来ないだろう〕の敬語
これはこれは【これはこれは】  これはありがとう
頃合【ころあい】  適当な時期 潮時
強飯【こわい】 米や糯を蒸したご飯
声高【こわだか】  大きな声 大声
強張る【こわばる】  硬直する 固まる
献【こん】 酒杯や魚を数える単位
根性腐り【こんじょンくさっとる】《梵語》 性根が悪い
此方【こんた】  この人

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