こんにちは。EBI'sオブザーバー(?)のつまがるです。
県立大学の研究室からではなく、今回は自宅から投稿しています。
Anytime(いつでも)、Anywhere(どこででも)というユビキタスな環境は大変便利です。
だけど、その反面、死ぬほどこき使われてしまうという恨めしい面もあります。
最近、岩波新書に「テレワーク―「未来型労働」の現実」という本が出たようです。
こんど読むつもりですが、その本について岩波書店のホームページには、
自宅のパソコンを使ったり,出先でモバイル機器を利用しながら,オフィス以外
の場所で仕事をする──テレワークとはそうした「柔軟な」働き方をいう.はたして
これは仕事と生活を調和させた「夢の未来型労働」なのか.それとも働き手の私
生活に食い込んでくる歯止めのない労働の安売りなのか.・・・
と紹介されていました。このコラムも「日曜日に書け!」と普段から忘れっぽい私に
向かって学生メンバーからきつく申し渡されたものです。
昨夜、飲み会だったため頭痛に悩まされながら、その指示を守って日曜日(!)に労
働の安売りをしております。(^^)
余談が長すぎました。
タイトルのテーマについて、思いつくままに書き綴ってみたいと思います。
(力が足りず、コラムにしてはかなり固い文章になってしまっています)
なぜだか最近「まちづくり」に関する本を読むことが多くなりました。「天草Webの駅」
を知ったからかもしれません。数多く読んだ本の中に後藤春彦著「景観まちづくり論」と
いうのがあります。この中に、
「低生産性」と「周縁性」という地方の地域が抱える課題を効率よく克服するために、
戦後、日本は外発的発展モデルでまちづくりをすすめてきた。
とあります。地域の外からの力に大きく依存する発展の時代がありました。
こうした外発的発展モデルのまちづくりは地域が歪を生みだすこともあり、1970年代
になると、「内発的発展論」が提唱されるようになってきたようです。近代化の中で消え
ていった地域の町並みを保存する運動など、地域にある潜在的な資源を活かしたまち
づくりが盛んに行われるようになったとのこと。
実際にそんな例はあちこちの町で見ることができるのではないかと思います。熊日新
聞でも報道されていましたが、今年度の都市景観大賞「美しいまちなみ大賞」の受賞
地区は南小国の黒川温泉地区でした。
国土交通省紹介ページ→ http://www.mlit.go.jp/common/000015511.pdf
実は前年度も熊本県が大賞を受賞しています。山鹿市豊前街道山鹿温泉界隈地区
がそれです。
国土交通省紹介ページ
→ http://www.mlit.go.jp/crd/city/plan/townscape/07machinami/yamaga.htm
両地区の審査評によれば、両地区共に住民と行政との協働(コラボレーション)で発展
してきたもののようです。内発的発展モデルの代表例と見ることができるのはないかと
思います。
さて、この内発的発展モデルには最近少し修正論が出ています。内発のみというの
はあまりに理想的過ぎるのではないか、と。地域には内発的な力と外からの力(外発
的な力)とが共存しているのであって、その相互作用を期待すべきではないのかという
ものです。
景観まちづくり論によれば、「共発的まちづくり」とは、
地域内に閉じた発展のモデルではなく、他都市や他地域との協調・連携のもとで
地域の自律を探るものであり、市民がこれまで地域を育んできた実績やその社会
的記憶、さらには市民独自の問題解決能力をもとに、多元多発的なガバナンスを
めざすものである。
とあります。私自身が地域の情報化の勉強しているのですが、共発的発展論は、それ
と重なる部分が多くて大変共感しています。
地域の人たちが生活を通して地域に埋め込んできた様々な価値(地域遺伝子)は、
地域の人には余りにも当たり前すぎて見えにくくなり、価値としては埋没してしまいがち
です。私たちが空気の存在をふだん意識しないのと同じです。内部と外部の力の協働
(コラボレーション)には、地域に埋め込まれている潜在的な価値を発掘し、発展させる
可能性を秘めています。
Webの駅には天草を出られて「外」の視点を持たれた方が準会員として多く参加され
ていると思います。そういった方々と現在居住しておられる「内」の視点を持った方々を
接続しコラボレーションを生起させるためのひとつの道具としてWebの駅には大きな可
能性を秘めているように思います。
学生サポート室のメンバーではWebの駅の可能性として、そんなことも話したりするこ
とがあります。しかし、今のところ具体的な知恵はまだ何もでていません。ただ、メンバ
ーのひとりが面白いことを考えていて、「外の人が、内部に人に依頼してここを見てきて
ほしい・・・(だったかな?)」という活動を引き起こす仕組みづくりを行うというものです。
まだ具体化はしていませんが、大変面白いなぁと思っています。
さて、さらに、「共発」のための小さな試みとして学生のパワーを活用するという話を
書きたいと思いましたが、長くなりましたので、今回はここでひとまず終わります。次
回、私の出番がまわってきたときにでも書きたいと思います。