七十二候だより いのちの暦 [第70回]
第四十六候 秋分 初候
雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ

秋の陽射しは、ありがたいほど透明です。

いいお彼岸でしたでしょうか。

秋のお彼岸は、十五節気「秋分」。
もっとも日が長い夏至を過ぎて
昼と夜がほぼ同じ日が秋分の日。

この日を境に、これから昼の時間が短くなり、
もっとも昼の時間が短い冬至・一陽来復へと
向かいます。

十三節気「立秋」から秋は始まり、
とはいえ、八月ですから、
まだ夏の中にあって秋を迎えたわけです。

そして十四節気、八月の終わりから九月には
「処暑」、暑さが「処=止まる」。
十五節気になると「白露」。
朝晩と日中の気温差が露となって
草木の葉に白く光るようになります。

この十五節気も、締め切りに追われ、飛ばしていましたので、
ここで駆け足で振り返ります。
十五節気「白露」の、初候は、
「草露白 そうろしろし」。
きれいな文字、言葉ですね。



次候は「鶺鴒鳴 せきれいなく」。
雀よりやや大きいという鶺鴒を私はわかりませんが、
どうやら、雀同様、愛らしいようです。

「毎日が発見」の読者の方からいただいたお手紙に
「雀を長らく飼っていた」という便りがありました。
人の手(指?)から餌を食べることをしない雀は
とても飼うことはできないと言われていますが、
きっとうんと小さい時から
飼っていらっしゃったのだと思います。

ちゅんちゅんと、小刻みに鳴き動く雀が室内にいるなんて
とても不思議です。
今月末にお届けの10月号で、ご紹介しています。

そうして、お彼岸ごろまでの末候が
「玄鳥去 つばめさる」。
春から初夏にやってきたツバメが
子育てを終えて、南へと向かうそうです。

ところで、「毎日が発見」で俳句の選者・指導をお願いしています
井上弘美先生から、こんなことを聞きました。
「渡り鳥、というのは冬にやって来て
春に帰っていく鳥を渡り鳥と言います。
春にやって来て秋に帰って行く鳥を、渡り鳥とは言いません」

言われてみると、確かに、いつ来ていつ去っても
渡り鳥では季語になりませんね。
渡って来て去る鳥が渡り鳥なのだと、実は思っていました。



さて、そうして、やっと、第四十六候、初候
「雷乃収声」に戻ります。
雷が鳴らなくなって秋本番に入りますが、
確かに、日の光は透明になり、風は肌に優しく、体の中、
血管まで届くような、ありがたいほどの天の恵みです。

これが秋。どの季節も恵みに満ちていますが、
秋の気候は感謝の気持ちを引き起こします。
高い青空が夜空になると、月が冴えてきたことに
気づいていらっしゃいますよね。

おはぎと、ぼたもち。
おはぎは、お萩、萩の花咲く秋のお餅。
ぼたもちは、牡丹餅、牡丹の花咲く春のお餅。
なんだそうですね。初めて知りました。

秋は新しい小豆だから皮ごと粒あんで。
春は時間が経っているので、濾したあんで。
なのだそうです。

いくつになっても知らないことがあって
うっかり忘れていることもあって
締切りもある!
人生、ときどき、ドキドキ。
今日も、みなさまとともに無事でありますように。

きんもくせいの香りがしてきましたね。


片寄斗史子


毎日が発見

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2015年09月25日更新