七十二候だより いのちの暦 [第61回]
九節気 芒種 ぼうしゅ
第二十五候 螳螂生 かまきりしょうず
第二十六候 腐草為螢 ふそうほたるとなる
第二十七候 梅子黄 うめのみきばむ

十節気 夏至 げし
第二十八候 乃東枯 なつかれくさかるる

二十四節気は「芒種(ぼうしゅ)」から「夏至(げし)」へ。
対、ということ。



しばらくお休みさせていただいたあいだに、
すっかり梅雨空になりました。
そして、また大雨のニュース。
雨の日を味わうだけでなく、場合によっては
落雷、ひょうなど、充分、気をつけて過ごしましょう。

6月の前半は、二十四節気でいうと、
芒種(ぼうしゅ)。「芒」とは、
イネ科植物の穂先にある、1本1本の針のような
突起のことだそうです。麦にもありますね。

つまり、このころに田植えをする
ということだったらしいのですが、
シトシト降り続く湿気の中では、イネ科に限らず
種や芽も葉も茎も枝も、
植物のすべてが水けを得て育っていく気がします。

芒種の節気の七十二候は、
螳螂(かまきり)、螢(ほたる)、梅の実と
身近なものが並びます。




蟷螂は、草むらや畑のどこにもいて、
それほどたくさん生まれてきていましたが、
今ではどうでしょう?

螢も川べりの草むらから出てきて、つかまえられるほど
たくさん飛んでいました。
家に帰って蚊帳(かや)の中に放ったことなど、
こどものころの生きものは自分といっしょ
忘れることがありません。

「毎日が発見」の、まもなく出る号は7月号。
巻頭の、私の“聞き書き”のお相手は
生命科学者、「JT生命誌研究館」の、中村桂子館長です。

地球に生命体が誕生して38億年と言われます。
どの生きものの中にも「38億年」があって、
その生命の営みを解読することが
生命史、ではなく生命誌、というお話です。

そのことを表しているのが、下の扇型の図。

生命誌絵巻

図版提供:JT生命誌研究館、原案:中村桂子 協力:団まりな 絵:橋本律子

中村館長は、この図を「生命誌絵巻」とおっしゃっています。
扇の要のところが38億年前にあたります。

螳螂も蛍も、人間も、みんなみんな、生きものは
この扇の中にいる、この感覚が大事というお話を聞きながら
「暦」もまた、その理をおしえているなと思うのでした。

十節気の夏至の、初候は、
「乃東枯(なつかれくさかるる)」。
冬至の初候、「乃東生(なつかれくさしょうず)」と
対(つい)になっています。

乃東(だいとう)というのが、夏枯草(なつかれくさ)のことで、
靭草(うつぼぐさ)の異称とのこと。
なんと、ややこしいことですが、
肝心なことは、この草(花)が、
冬至、12月の末に芽を出し、
今、夏至の6月の末に枯れ始める、ということ。

このことを、暦のいちばん明らかなところ、
つまり、日がもっとも長いところと
もっとも短いところにおいているということ。

冬至は、一陽来復。私の「七十二候だより」では
いちばん大事にする考え、出発点です。
地球の上に立っている気持ちで
両手を横に広げてみてください。

頭のてっぺんが夏至だとすれば、
踏ん張っている足の裏が、冬至。
時計まわりだとすれば左手が秋分、右手が春分。
きちんと対のリズムで回っています。

私たちの生命に、
38億年の生命体の歴史があるということは、
38億年分の暦を巡ってきたということなのでしょうね。


片寄斗史子

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毎日が発見 
2015年06月23日更新