七十二候だより いのちの暦 [第53回]
第十三候 清明 初候
玄鳥至 つばめきたる

長嶋茂雄球場

片寄斗史子

春分から清明に移り、
初夏の気配の漂う五節気になりました。
花冷えの日もありますし、寒の戻りもありますが、
すずめの声も大きく元気に聞こえます。

あんな小さなすずめにも春の温かさや
冬の冷たさがちゃんと伝わっているわけで、
ベランダの鉢植えにやってくると、
いとしさの歓迎をするのですが、
すぐに逃げては、またやってきます。

これは前にも書いたような気がしますが、
私の母親は、軒下に巣をつくったつばめを
やはり、同じような目で追っていました。

ちいさなものはみなかわいい、いとしい、
というのは『枕草子』にあると、
今は亡き清川妙さんから教えてもらいました。
すうーっとまっすぐ飛び立つつばめが
やってくるこのころは、
野球シーズンの開幕でもあります。

今年は、長嶋茂雄さんが
オフに自主トレを続けた道が
正式に「長嶋ロード」と命名され、
話題になりました。

長嶋さんに限らず、
何か大事を成した有名な人たちについて、
私たちは、ややもするとゴシップ的な話題を好みます。

「長嶋ロード」は、久しぶりに長嶋さんの
不断の努力、技術、思考の具体化を少し伝えて
ちょっと爽やかな思いになりました。

ホンダ技研工業の創始者、
本田宗一郎さんの相棒だった藤沢武夫さんは、
「誰もがみんな、本田宗一郎の
おもしろおかしいエピソードばかりを伝えて、
その卓越した技術のすごさを伝えることができずにいる」、
といったことを著書の中で書いていらした記憶があります。

『松明は自分の手で』というすてきな本でした。
それを読んで、人は自分の器量のものしか見えず
余りにすごいと凡人にはそれが見えないのだなと、
この仕事をする限りは、よく勉強して、心を養い
少しでも対象の素晴らしさを、価値を伝えられる仕事人に
なりたいなと思ったものです。

それはなかなかに難しいことで、それこそ不断の努力ですが、
それでも、その本を読んで意識でき、忘れることはありません。
ちょっとはインタビューなどに秀でていたいものだなと
また何十年目の新年度を迎えました。



本当は何が言いたいかと言うと、
私の大好きな天草(熊本県)には、
ずばり「長嶋茂雄球場」と名付けられた
グラウンドがあります。
手形の碑もあります。

それを知っていただきたかったのです!



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2015年04月09日更新