富岡の海岸線から一つ裏通、歩いてみれば古い民家が連なり時間が止まったような光景に出逢います。

ここに林芙美子さんの文学碑があります。苔むして文字も判読し難い石碑に近寄ってみました。家には(岡本)の表札が掛かっています。林芙美子の(天草灘)に登場する昔の民宿です。「旅に寝て のびのびと見る 枕かな」と刻まれています。

彼女が尋ねた頃の富岡はこの宿から海が見えたのですね。(私は暫くぼんやりと窓を見つめていた。鉛色の地平線が窓の外で高くなったり低くなったりしている)との文章があります。

誰一人道行く人はいませんでした。



2023年02月26日更新