七十二候だより いのちの暦 [第51回]
第十一候 春分 次候
桜始開 さくらはじめてひらく

桜の見方でわかる心模様
片寄斗史子
先週の半ば、水曜日だったか木曜日。
帰りがけ、編集部のある東京・市ヶ谷駅前、
靖国通りに出ると、桜がひらいているではありませんか。

あらあら大変と九段下に向かって夜桜散歩をすることに。
途中から土手に向かって左折、飯田橋駅へと
土手を歩くことにしました。

道路脇に較べて土手の桜は、ちょっと寒そう。
さくらんぼも道路脇から色づいていくと
聞いたことがありますから、
やはりアスファルトや車の熱で何度か違いが
あるのでしょう。

そうして週末、明るい日差しのもとで見る今年の桜は
遠くからも近くでみても、やさしい気配です。
小さくまとまり大きくまとまり、輪舞のようです。

第八候 啓蟄 次候は、「桃始笑」でした。
友人からメールが来て、「山笑う」は知っていたけど、
「桃も笑う」なんだと知って嬉しいと書いてありました。

桃始笑と、桜始開。
子どもの笑顔と、美しい女の人の笑顔。
桃と桜では、それほどの違いがありますが、
見事に一文字の違いで表されています。

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桜がどんなふうに映るか、
心模様がよく現われると思いませんか。

屈託のなかった若いころ、
桜の季節は、生きている、ただそれだけでも
明るく祝福されている、そんな気分で並木の下から
満開の桜を眺め胸を張る思いでした。

あ、桜を仰ぎ見ることも
近寄って見つめることもしなかった、という年が
突然ありました。

心を縛られているうちに、いつのまにか桜は
はらはらと花びらを私の肩に落ち
咲き始める桜とともに、散り始める桜の
やさしさに初めて気づき涙ぐむ思いでした。

桜のことを思うことのない春になりませんように。
少し苦しくても、顔を上げ、
桜の花をまっすぐ見つめて春を迎えたいと思います。

いつか行ってみたいのが、さまざまな桜が次々と
咲くという、東京・八王子の多摩自然科学園。
でも思えば、毎日歩く道に桜が咲く、眺める、思う、
これがいちばんですね。

いいお花見を――。

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2015年04月02日更新