七十二候だより いのちの暦 [第57回]
第十八候 穀雨 末候
牡丹華 ぼたんはなさく

鬼太郎ロードから
出雲大社までの
海の道


片寄斗史子

朝の6時に起きたぐらいでは
もう夜明けの気分など、とうてい味わえない
光の強さになりました。

その光の中に
「カアア」と声がしたと思うや、
ベランダの手すりに一羽のカラス。

「おはよう」と言わんばかりに首をかしげ、
「どうぞ」とでも言えば、「おじゃましまあす」と
入る風情。ちょっと子どものカラスでしょうか。

「わあああ、勘弁、勘弁!」と
鳥肌になって、あわてて窓を閉めたら
その音を合図に飛び立ちました。

そして、もう一度、窓を開けて深呼吸。
今日から5月です。
六節気、穀雨の末候、「牡丹華」。
見事な牡丹の花が咲いて、春が終わります。



私の故郷、島根県、中海に浮かぶ島、
大根島(だいこんじま)は、
牡丹と朝鮮人参の産地として有名です。

島根県のお隣が鳥取県。
県境の大きな街が米子(よなご)、です。
そこから日本海へ向かうと、
「ゲゲゲの鬼太郎」を生んだ水木しげるさんの故郷。

鬼太郎ロードなど、いろいろなお店を回って
遊べるようになっています。

その水木さんの実家の前に立つと、
右手に日本海が広がります。
この小さな入り江から左に汽水湖の中海(なかうみ)が続き、
牡丹の大根島へと道ができていて、島根県に入ります。

はじめて大根島に行ったとき、北海道のよう、帯広に
似ていると思いました。面積は大違いですが、
畑作のための開墾という目的が同じだったからでしょう。

中海は、宍道湖(しんじこ)へと連なり、
松江、出雲をまたがり。陸に上がって出雲大社に行くと、
その先に「因幡の白うさぎ」でお馴染みの、稲佐の浜。
二度目の日本海の景色は、大陸へと広がります。

そんなふうに道ができている、山陰の海のロード。
5月は日本中どこも美しいのですが、
とりわけ、故郷、その海の道は光の中です。

もし、山陰を旅されることがあれば、ぜひ。
それから出雲大社にお参りされたら、お隣のお社、
“北島さん”にもぜひお参りください。

ここの庭は、私には、
パリ郊外、ジヴェルニーにあるモネの庭を
思わせます。

景色はまるで似てないので、ご注意しておきたいのですが、
庭のありよう、庭をつくる心が似ているんじゃないかなと
思うのです。

庭仕事、畑仕事、手仕事。夏の準備のはじまりです。
連休が明けるころには七節気、立夏です。
気をつけて、いい連休をお過ごしください。

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毎日が発見

2015年05月01日更新