■全国高P連沖縄大会概要

  

 〔8月27日〕

・開会式:開会のことば・大会宣言・国歌斉唱・大会会長式辞・来賓祝辞・表彰式・閉会

 ・講 話:琉球大学教育学部教授 新城澄枝氏「18歳までに育てたい食の自己管理能力」

  (要旨)

   植物は動けないため、自ら栄養素をつくり賄っている。しかし、私たち人間を含む動物は、動ける自由を与えられた代わりに、自らの命・健康保持に必要な栄養素を他の動植物体すなわち命を飲食物として摂取しなければならない宿命を負った。食物は命であり、感謝の心で自分に必要な栄養素を必要な分量だけ摂取することが重要である。

   特に成長期にある児童生徒にとって、健全な食生活は重要であり、将来の望ましい食習慣を形成していく。

   今、子どもたちの現状は、朝食欠食の状況にある。能や神経が使うぶどう糖は8時間しかもたない。朝食を抜くと能のグリコーゲンが足りなくなる。また、風邪を引きやすくなる。大学生になり独り暮らしを始める前の高校時代に、食の自己管理能力を身につけることが重要である。

   男子学生の傾向として、主菜偏重、炭水化物の重ね食いがある。女子学生では、お菓子や菓子パンを主食にしている。男女とも、野菜・海藻類の摂取が少ない。

また、サプリメントは補助食品であり、正食をきちんと摂ったうえで、評価をした人が利用する。

病気などで、体温が1度上がるとベッドの上でウォーキング、2度上がると、ジョギング、3度上がると部活動をしている状態と同じである。そのため、栄養、ミネラル、ビタミンなど、栄養素をきちんと摂る必要がある。

※食の自己管理能力を育てることは極めて重要であり、急務である。

※正しい食生活=何を(炭水化物・ビタミン等)

どの位の量

どのように調理するのか(脂肪の比率を落とす調理)

 

 

〔8月28日〕

第2分科会:テーマ 進路指導とPTA~自らの夢や希望を切り拓かせるPTA活動

 ○助言者:又吉孝一氏(琉球大学理学部非常勤講師)

 ※キーワード 

①自己認識 ②職業理解 ③目的意識 ④学習力 ⑤進路支援 ⑥保護者 ⑦先生

 ・保護者自身も進路学習をしてほしい。

 ・子ども達への励ましを、粘り強く、甘やかさない。

 ・かわいい子には旅をさせよ。全国的視野で。

 ・健康第一、授業第一、基本的生活習慣の確立

 ・高卒の3年後の離職率は50%

 ・非正規雇用の生涯賃金は9,000万円で、正規雇用は2億円

 ・大学中退率10%

 

○助言者:中嘉山興武氏(沖縄キリスト教学院大学教授)

 ・未見の我を知る、自分の良さを知る、光るものを知る

 ・キャリア教育=職業観の育成

 ・あいさつ運動=学校の活性化につながる

 ・それぞれの学校がめざす生徒像をしっかりとらえていく

 ・意味ある他者が、進路指導について話し合うことが重要

 

発表1:秋田県立秋田中央高等学校 前PTA会長 松木 仁氏

「地域と育む開かれたPTA活動~地域との有効なコミュニケーションづくり~」

・各学年普通科6クラス240名、全校生徒720名、校訓「自主・友愛・躍進」

・大学、短大への進学率75%

・生徒が地域の祭りに参加したり、ボランティアとして近隣の清掃や雪かきを実施

・PTA組織:会長1名、副会長(各学年から2名ずつ計6名)、監査(各学年1名ずつの計3名)の役員と委員(各クラス2名ずつの計36名)で構成。役員及び委員は、総務部会、生活指導部会、進路指導部会の3部会に振り分けられる。ほかにPTAのOBで組織する教育振興会と同窓会があり、生徒のため協力し合っている。

・PTA活動:地域を巻き込みながら実施している活動として、6月の中央祭(学校祭)での餅つきと研修会がある。餅つきは毎年の恒例行事で30キロを2つの臼でついている。10時頃からつき始め昼前には完売。研修会は、毎年秋に、市の公民館を会場に毎年テーマを変えて地域住民にも参加してもらい実施。冒頭のあいさつでは、校長先生から本校の目指す姿や現状を話してもらっている。

・その他:学校では、地域社会との情報交換の場を年2回、6月と10月に実施している。毎年7月に開催される土崎神明社例祭に生徒会が中心となって参加。

    まとめ:地域を巻き込んだ活動で、生徒の学力や生活態度の向上、ひいては進学率の向上にもつながっている。

 

発表2:聖マリア女学院高等学校(岐阜県) 保護者会会長 澤田栄造氏

「教師・生徒・保護者による三者一体の保護者会活動」

・中学校3クラス、高等学校4クラスの約600名

・聖マリアの教育目標「5つの花言葉」

稲穂のような謙虚さ

菜の花のような温かさ

ひまわりのような明るさ

野の百合のような素朴さ

雑草のような力強さ

・保護者会活動:お父さん方に学校を理解してもらうために、毎年6月に父親の会を開催。

 バス2台での大学見学会の開催。バザーと文化祭を一体化したセント・マリーズ・フェスティバルの開催。留学協会の講師を招き留学フェアを開催。聖書講演会の開催。

 

発表3:奈良県立王寺高等学校 育友会会長 宮木一也氏

「大和の中心で世界産業人をつくる~親も子も共に一社会人として学びあう~」

・奈良県唯一の工業専門高等学校:20年度卒業生=就職74%、進学25%

・社会人、産業人の第一歩は挨拶:生徒の元気な挨拶が実践されている。

・キャリア教育の充実:就業体験や高度熟練技能者を迎えての授業「工巧塾」、県内企業に行き専門技術を学ぶデュアルシステムの導入

・親こそ最高の「たくみ」:6月の家庭訪問週間に合わせて、約2週間、校内において保護者による出前大学・専門学校等説明会(実用型・体験型説明会)を実施。「県内企業参観バスツアー」の実施。

 

発表4:熊本県八代東高等学校 PTA会長 松坂昌弘氏

「学校特色化への挑戦~PTAと動く、文武両道実践校の模索~」

・全日制573人、定時制62人、1学年5クラスで商業科3クラス、情報ビジネス化1クラス、普通科体育コース1クラスで定時制普通科が1クラス。

・20年3月卒業後進路:進学44%、就職56%

・PTA活動:総会参加率85.4%。部活動の成果をPRする看板設置、地元夏祭りでの補導、体育大会時の交通指導・補導、長距離走大会での「豚汁とおにぎり」の振る舞い、

「東高マーケットふれあい広場」での食品バザーの出店、早朝激励とあいさつ運動、保護者向けオープンキャンパスの実施、企業訪問、保護者が面接官となった面接指導の実施。

 

記念講演 人間国宝 宮城本流鳳乃会家元 宮城能鳳氏

テーマ:伝統楽劇 組踊の魅力~その見どころ・聴きどころ~

  地域の伝統芸能を伝承していくことは、地域への愛着や誇りの醸成、礼儀作法の習得、上下関係を学ぶことによる社会性の確保など人間力の向上へとつながり、学校教育にも非常に好影響を及ぼす重要なものであるといえる。

2009年09月13日更新