こんにちは。
地域おこし協力隊の北野です。
本日はいつもと少し趣向を変えまして
新和町に数多く残る伝説の「謎」に迫りたいと思います。
今回は、小宮地地区棒の鶴にある
「ガワッパの証文」
について、研究・考察をしていきます。
ではまず、「ガワッパの証文」とは!?
(写真:ガワッパの証文とされる岩)
(写真:拡大)
「ガワッパの証文」
流合川(ながれあいがわ)の上流、棒之鶴阿蘇神社のすぐ下に
滝つぼを思わせるような石で囲まれた渕がある。
その段差付近の石に「八大龍王宮諸大眷尻」の九文字が大きく刻まれている。
その昔、ガワッパが泳ぎに来た子どもの尻をとるので
里人たちが協議の末、村一番の力持ちに頼み
ガワッパと相撲を取らせることになった。
取り組みの前にはお辞儀をするものだと聞かされたガワッパは
お辞儀をしたばかりに頭の皿水をこぼしてしまい
簡単に降伏してしまった。
刻んだ文字が消えるまでは決して尻を取らないという一礼を
ガワッパに入れさせて以来、事故は起きなくなった。
しかし、「八大龍王宮諸大眷尻」の文字がだいぶ薄れていて
それは夜な夜なガワッパが一生懸命文字を消すために
石をこするのだと伝えられている。
~新和町の伝説と文化財(新和町教育委員会 著)より抜粋~
上の看板には「八大龍王宮諸大眷属」と書いてありますが
文献には「八大龍王宮諸大眷尻」という記述になっています。
実は先日、
「八大龍王宮諸大眷尻」とは何でしょうか?
と、新和支所にお問い合わせがありました。
その答えとしまして、おそらく旧字体の「眷屬」という文字が経年で薄くなり
「眷尻」という文字に見えたのではないかと推察されます。
では、そもそも「八大龍王宮諸大眷属」とは何なのでしょうか。
新和町の歴史研究家である平田豊さんにお聞きしたところ、
八代龍王宮 → 「水の神様」
諸大 → 「様々な」
眷属 → 「仲間」
ということでした。
つまり、上記の「伝承」を要約すると↓
子どもに悪さをしていたガワッパ(河童)が、相撲で負けた結果
二度と尻を取らないと「約束」をさせられた。
ガワッパは、
「八大龍王宮諸大眷属(私は水の神様の仲間ですよ)」
という「身分」を岩に書き記し、もう二度と悪さをしなくなった。
との解釈(推察)ができるようです。
今考えると、水の神様にもう悪さはしないと約束させ
その署名までさせるとは
とても恐ろしい所業のように思えてなりませんが(笑)
ともあれ、新和町にも河童がいるかもしれない、と思うと
なんだかとてもワクワクしますね!
2020年11月30日更新