1月16日に始まった、朝日新聞掲載の「足し算命」連載が今日の第8回で終了となりました。緩和ケア医の大橋洋平氏ががん患者になっての貴重な体験を連載した記事です。第一回目の内容で(余命を思い煩ってあと何日生きていられるのかのマイナス思考から、何日生きているのかの足し算思考に変えての前向きの闘病体験が語られました。十万人に一人という珍しいがんジストを患った先生は、自分自身にも又患者さんに対しても、様々な思いを抱かれ、最終章は「患者の心身の苦しみのうち、体の苦しみは医療者がとるべきで、心の苦しみは自分の仕事、気を楽にし前を向くのは己にしか出来ません。がんになる前、私は患者に治療の中止や最後を過ごす場所などを想定して準備しておきましょうと伝えてきました。その時にジタバタせずに済むからです。でも、今なら医者・大橋洋平は患者・大橋洋平に言います。『ジタバタしてもええよ』と。うまく生きるも生きないも、どちらも人生です。それを許してくれる医療者に己の命を預けたいと考えています。」
主人が最後の五日間を市立井田病院の宮森先生に看取られて旅立ったこと、優しく接して下さった宮森先生に感謝の思いで、緩和ケア病棟での22年になるボランティア活動を続けさせていただいています。

「足し算命」

2021年03月06日更新