『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にはあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。』鴨長明の「方丈記」の序文です。「方丈記」は、「徒然草」や「枕草子」と共に、古典日本三大随筆の名作と言われています。長明は1216年、61歳で亡くなっていますが、晩年は京の郊外で一丈四方(方丈)の小庵で隠棲したそうです。
 今の社会状勢を鑑みるに、天変地異や乱世を経て辿りついた長明の(無常観)を思い起こしました。コロナ禍と天災による災害、長い時間家に留まりながらの暮らし、私も来島以来、はや50日を経過して9月を迎えました。防災の日・重陽の節句・十五夜・秋彼岸・敬老の日。お月様も綺麗!彼岸花も好き!その昔、子供のころ、母の生まれ故郷の伯母に世話になって夏休みに行ったり、縁故疎開をしたりした茨城県最北の大津町、小高い山の上のお寺さんに通う畦道に咲く彼岸花、瞼を閉じれば今でもありありとあの時の風景が浮かびます。いろいろなことを考え、思い浮かべながら、天草での日々に感謝し、そしてウイルス対策に専念して暮らします。今月も宜しくお願い致します。

天草の中秋の月


2021年08月31日更新