毎年5月になると、佐藤春夫の「望郷五月歌」を必ず思い出して全文を何回も読むほど好きな詩です。とても長くて和歌山の海、山、木々、海の幸、古の帝王達の通わせし古道などなど和歌山賛歌が続きます。子供のころに何かの本で読んで感動したのが佐藤春夫のこの詩と、夏目漱石の「心」です。「塵まみれなる街路樹に哀れなる五月きにけり 石だたみ都大路を歩みつつ恋しきや何ぞわが古里」18歳まで和歌山で過ごし、冒頭は都会の描写から一転して、初夏の和歌山を歌いあげます。「空青し山青し海青し 南国の五月晴れこそゆたかなれ」最後は「貝がらの数を集めて歌に添え贈らばや都の子等に」とあります。前年5月もこの詩をご紹介しましたが、今年は5月にかけての大型連休は、望郷の念にかられる人も大勢いらっしゃると思いました。私も五月晴れを仰いでみようと外に出ましたが、前の公園は大きくなりすぎた木々の選定中で入れませんでした。瀬戸内寂聴さんは「「病気は神様が与えてくれた休暇だと思って、有難く休養するのが一番いい」と言っていますが、とにかくないないづくしの5月、観光や宿泊、鉄道など関連業界の苦境に心を痛めながら、在宅で大型連休を過ごそうと思っています。ついでに庭の蹲の水をきれいに入れ替えました。今日もやりたい事沢山あって倖せ!

5月のタイトル蹲

2021年05月01日更新