2013年1月20日

               『AMAKUSAシーサイド広告社』

          これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた

          若者たちが力を合わせて 就職難の故郷で起業するために

          奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)

          彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る一人の女性も

          彼らと深く関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》!!!

          彼らは ふるさと天草の宝を見つけることができるかな?

 

                第十回 「 クライアント現る!?」

                                 文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ) 

シバタ「 オダさんたちと出会ったあの日・・・ オレ

ホテルやレストランのシェフの求人が 一件くらいはある

だろうって安易な気持ちで ハローワークにいたんですよ

でも 現実は厳しく 思いどおりの就職口が無くて 今も

洋風居酒屋のバイトをして 生活費を稼いでいる状況

なんですが・・・ このシェアハウスで暮らすうち なんだか 

ここの厨房や食堂に 次第に愛着が沸いてきちゃって・・・

そりゃあ オレだって カフェレストランの立地条件としては

不利なことも 充分わかってはいるんですよ~~ 

わかってはいるんだけど・・・ 」

          

キヨミユキコ「 ううん、大丈夫ですよ~!

私たち若い女の子って 美味しいものが食べられるん

だったら 少々お店が遠くても 平気ですもん♪ 」 

 

シバタ「 おう! 心強いエールを アリガトなッ!

営業日にはどうしても シェアハウスの共用スペースを

独占しちまうことになるんだけど さっき言ったように

カフェレストランは 週末二日間オープンするだけなんで

平日はこれまでどおり 厨房と食堂は みんなが自由に

使えるし・・・ それから 土日をここで過ごす人の食事は

オレのほうで ちゃんと用意するんで・・・ ただし オレが

食べるのと同じマカナイ料理で シンボウして欲しいん

だけどさあ~(笑) 」

 

 ハシバ「 ワタシ 基本的に土日がお休みですねん

いやあ~  休日毎に シバタはんのマカナイ料理が

食べられるなんて ラッキーですわ~ ♪ 」

 

シバタでもさ オレの個人的な稼ぎのために この

シェアハウスの共用スペースを使用することが 少しでも

みんなの迷惑になるんだったら この計画は最初から

なかったことにするからさ~~   オレとしては ここは

あくまでも みんなが共同で楽しく暮らすシェアハウス

だということを 何より大事にしたいって ホントに思って

いるんだぜ  こんなこと言って ちょっとテレるけど(笑) 」

 

ハシバ「 だれも 迷惑やなんて思わへんですやろ

そないに気にせんでも 大丈夫でっせ~~ 

そもそも これまでここで 料理らしい料理を作っていた

んは シバタはんとワタシしかおりまへんでしたしな~

オナゴはんが 二人もいはるのになあ~~(笑)」

 

キヨミ「 ウフッ!  耳が痛いですう~~(苦笑)

ハシバさんに よくお料理をゴチソウしてもらうんだけど

私は特に ハシバさん特製のホットケーキみたいに

フックラと焼けた関西風お好み焼きが ダ~イスキ ♪ 」

 

ユキコ「 キツネうどんも すっごく美味しいです ♪

でも私だって 年が明けて職場に通いだしたら

毎朝ちゃんと お弁当を作るつもりですよ~~ 」

 

シバタ「 オレも 週に三、四日ほどは 今の店の

バイトを続けるつもりなんだよ

バイトとはいえ やっぱり 一定の収入があるのは

心強いからねえ~~  」

 

ハシバ「 夢を追求するための アルバイトっちゅう

わけですなあ~~

週末だけのカフェレストランでっか~~  なんや ソレ 

面白そうやないですかあ ♪

ワタシらに遠慮せんと やってみなはれ~~    

そや、お店が忙しい時は 皿洗いぐらい手伝いまっせ! 」

 

ユキコ「 あ、私も遊びや買い物で出掛けない

日は 何かお手伝いができるかも~~ ♪  

 

織田「 シェアハウスの仲間が ここで何か自分の

力を試したいことがあるんだったら 僕たちも できるだけ

協力したいと思っているよ

それに ここで起業したいと考えているのは シバタくん

だけではないぞ~~ 」

 

 キヨミ「 実は 私も 自分でデザインした服を作って

ここの食堂の一角に 展示と販売コーナーを設けたい

って オダさんに相談したばかりなんですよ 」 

 

ハシバ「 キヨミはん 東京のアパレルメーカーで

え~と、なんちゅうたかな・・・ そうそう パタンナー

とかいう仕事をしてはったそうですわ~~

スゴイでっしゃろ~! ていうても ワタシ パタンナーて

何しはるんか ようワカランのですけどな(笑)」

 

シバタ「 へえ~~ 服飾関係の仕事かあ~~

どうりで 部屋着にしても いつもセンスがあるヤツ

着てるなあ~って思ってたよ ホントに・・・  

でも 東京のアパレル会社に入社できて 恵まれた

環境にいたんだから そこで デザイナーになる

勉強をするほうが キヨミくんの夢を実現できる

近道だったんじゃないか?

こんな田舎に引っ込んで 夢の実現へワザワザ

遠回りになるようなことしなくてもさあ~~ 」  

 

キヨミ「 ・・・ええ、服作りのことだけを考え

られたら そのほうがよかったんですけど・・・

でも・・・ いろいろとあって・・・ 」  

 

シバタ「 あ! ゴメン! オレの悪いクセで

疑問に思ったことは そのまますぐに 口に出し

ちまうんだよなあ~~

そりゃあ 都会から天草にUターンしてきたワケは

お互いに いろいろとあるよなあ~~

もちろん このオレだって・・・イロイロとな(苦笑) 」 

 

キヨミ「 でも 私 ここで 心機一転して 頑張って

みようと思っているんですよ~~

田舎といっても 今は ネット販売とかの方法もあるし

とりあえず ここは 自分ブランドのアンテナショップの

ようにしたいんですけど・・・ あの~~ シバタさん

 同じフロアでこんなことしても かまいませんか?」

 

シバタ「 オレとしては あくまでもカジュアルな

カフェレストランというのをコンセプトにしたいんで

洋服や雑貨を店内で展示販売しても ちっとも

かまわないぜ~~

かまわないというよりは むしろ 大歓迎だよ~~! 

きっと 楽しい雰囲気の店になりそうだ ♪

キヨミくんが作った洋服を見に来た女性客目当てに

メニューもパフェとかスイーツ類を充実させようかな 」   

 

キヨミ「 私が働くブティックは ハシバさんや

ユキコちゃんの勤め先みたいに 土日がお休みじゃ

ないんで シバタさんのお店を手伝えなくて残念だけど

私にできることが 何かあったら・・・あ、そうだ~!

シバタさんに似合いそうなシェフエプロンを作って

みますねッ♪  出来上がったら ぜひ着てくださいよ~ 」

 

シバタ「 おう、そりゃ 嬉しいなあ~~!

んじゃ あんましハデじゃないヤツを頼むわ!(笑) 」

   

織田「 ・・・そうそう ランくんも 私たちに何か

言いたいことはあるかな? 

この建物の管理をしているのは モリシマさんだけど

法的な所有者は ランくんだからな~~

お父さんが遺したペンションが シェアハウスになった

だけではなく 複数の人間が ここで起業することに

なるんだし ランくんにとっては なんだか想定外な

ことばかりだよなあ~~ 

 

さてさて ランくんの意見は・・・?

 

      第十回後編は コチラから どうぞ!