2012年12月24日

『AMAKUSAシーサイド広告社』

これは それぞれにワケあって 都会から天草にUターンしてきた

若者たちが力を合わせて 就職難の故郷で起業するために

奮闘する物語です( フィクションなのに ノンフィクションっぽいッ!)

彼らとは反対に 天草から都会への進出を夢見る若者も 彼らと深く

関わっていきます・・・ 物語のテーマは 《天草の宝》!!!

彼らは 故郷天草の宝を見つけることができるかな?

 

          第六回 「やっぱり気になる!」 

                       文と絵&ストーリーテラー☆K(ケイ) 

 

さて あれから数日後・・・ ランくんとホソカワくんは

冬休みの計画などを 話しているみたいですが・・・

  

ホソカワ「 つまり 何か?  モリシマとしてはさあ~~

オヤジさんが遺したペンションを 取り壊さなくてもよく

なったことは嬉しいけど 例の五人に 好き勝手に使われ

るのが ちょっとその・・・ 気に食わないってことか?  」

 

蘭「 う~~ん  気に食わないってまでは

いかないけど・・・ でも やっぱり気になるというか

 

ホソカワ「 天草と東京じゃ離れすぎてて ちょっと

様子見に帰るってこともできないしなあ~~

オマエ 今年の冬休みはバイトがあるんで 帰省

できないっていってたよな 」

 

蘭「 ああ、バイト先の旅行社が企画している

ツアーの添乗員のアシスタントをするんだけどね

まず最初は 《クリスマスツアー》・・・ 観光バスで

東京のクリスマスイルミネーションの名所を数箇所

巡って そのあとホテルで 立食スタイルのクリスマス

ディナーってコースなんだけどさ 」 

 

ホソカワ「 なんだ~~  けっこう定番コースだよな  」

 

蘭「 いや、このツアーの真の目的は 《婚活》で

ホテルでの夕食は メインイベントの《婚活パーティー》

っていうことなんだけど・・・ まあ オマエみたいに

ガールフレンドと一緒に スキー旅行の計画を立てて

いる幸せ者には 関係ない話だけどね 」(笑)

 

ホソカワ「 ガールフレンドとスキー旅行ね・・・

あの話は・・・ その~~   もういいんだ・・・ 」 

 

蘭「 え!  どうした? 旅行資金が足りない

んだったら 少しぐらい貸してやってもいいぞ~~ 」

 

ホソカワ「 いや、お金の問題じゃなくて・・・

こないだ 些細なことで 彼女と口げんかになってさ

それがエスカレートしちゃって・・・ もう俺の顔なんか

見たくもないって・・・ 彼女 今 元カレと急接近中!

つまり フラれちまったってこと~~ アハッ!  」

 

蘭「 おやおや それは ゴシュウショウサマ!

じゃあ スキー旅行は ホソカワ独りで行くのか? 」

 

ホソカワ「 まさか~! カップルだらけのゲレンデで

独りで滑ったって 楽しくもなんともないさ~~!

しょうがないから スカイツリーの展望台から 東京の

夜景でも 独り寂しく眺めることにするよ

そこだって たぶん カップルだらけなんだろうけど 」

 

蘭「 スカイツリー見学だったら 今度のコース

にも入って ・・・ あ! オマエのスキー旅行がダメに

なったって聞いたんで 今 ちょっと思いついたことが

あるんだけどなあ~~ 」 

 

ホソカワ「 な、なんだよ~~ オレ お膳立てされた

婚活パーティーなんて ゼンゼン興味ないからな~~

結婚なんて オレたちには まだまだ早すぎるだろう?

結婚相手探しより まずは 素敵な恋人探しだ!

恋人くらい 自分の力で見つけるぞお~!

あ、そうだ! さっそく来年の目標にしよ~~っと♪ 」

 

蘭「 ・・・いや、ツアーの参加者じゃなくて

その人たちをサポートする側なんだけど・・・

なあ ホソカワ やってみる気ないか?

添乗員さん一人で世話するのは とても無理なんで

どうしてもアシスタントが必要なんだよ 」 

   

ホソカワ「 え? それって オマエの仕事じゃん!」 

 

蘭「 旅行も楽しめて お小遣いも稼げて

それに ツアー参加者の半分は 女性だし・・・

きっと モテモテだぞ~~!  だから 頼む!

僕の代わりに このバイト 引き受けてくれないか?

オマエだったら 性格もルックスもいいから 旅行会社

のツアー担当者にも ウケがいいと思うし・・・ そうだ!

さっそく明日 僕と一緒に会社に行って 担当者

会ってくれよ~~  なっ!」  

  

ホソカワ「 ちょ、ちょっとまてよ~~

な、なんだよ 突然に~~???

オマエの代わりをしろってか? 」

 

蘭「 なあ ホソカワ・・・ あのな

この話は オマエにだけするんだけど・・・ 」

 

ホソカワ「 え?  あ、こないだ モリシマが

初対面の男性の胸を借りて 泣いちまったって

話は オレ 誰にもシャベッテいないからなッ!」

 

蘭「 うん・・・ 実は その彼・・・ オダさん

っていうんだけどさ~~  あの時 なんでなかなか

涙が止まらないんだろうって 自分でも不思議

だったけど どうやら 彼から 父さんと同じ匂いが

していたせいじゃないかな~~って・・・ 」

 

ホソカワ「 え?  オヤジさんと おんなじ匂い?

加齢臭とか したのか~~?」

 

蘭「 アハッ! まさかあ~~!

父さんが吸っていた煙草の匂いと同じだったんだ

だから・・・ 急に 父さんのことが思い出されて

それで つい・・・ ずっと泣いていたいような

ていうか 甘えていたいような気分になって・・・ 」 

 

ホソカワ「 いやはや ずいぶんとセンチメンタル

になったもんだなあ~~ 」 

 

蘭「 自分でも 女々しいと思うけどさ  」 

 

ホソカワ「 でも・・・ オマエにも そんなところが

あるなんて意外だよな~~

なんせ いつもクールなモリシマくんだもんな! 

 

蘭「 クール? そうかな~~?

自分では そうも思わないけど・・・  」

 

ホソカワ「 あのさ~~  オレも オマエにだけ

話すんだけどさ・・・ 彼女にフラれるよりも

オマエと友達でいられなくなるほうが きっと

何倍もツライと思うよ~~

あんまり受験勉強もしなかったオレが この大学に

入れたこともツイてたけど オマエと親友になれた

ことは もっとラッキーだったしな♪ 」 

   

蘭「 あ、ありがとう・・・ フフッ!

なんだか 面と向かって そんなこと言われると

テレるよな(笑)  んじゃあ さっそくだけど これ   

クリスマスツアーのパンフと日程表ね・・・

詳しいことは 担当者から説明があるけど 」 

 

ホソカワ「 ・・・ん? オイオイ! パンフの表紙に  

《中高年のためのクリスマスの出会いツアー》

ってあるぞ~~??? 」

 

蘭「 ああ、言い忘れてたけど だいたい

40代から50代の男女が対象なんだよねえ~~

あと これが 《初日の出ツアー》の日程表・・・

行き先がスキー場だったら よかったんだけどな 」

 

ホソカワ「 どうせ 箱根の温泉か何処かだろ? 

まあいいさ~~ 親友にそこまで頼まれたら

引き受けるしかないもんな~~  

だからさ~~ なんで バイトを交替するんだ? 

オマエ なんか急な用でも思い出したのか 」

 

蘭「 僕は・・・ 僕は やっぱり・・・

                                                       天草に帰るッ! 」

 

                To Be Continued                           

                                        *おことわり*

地元天草が舞台の物語の性格上 実在の地名 ・施設名などが

登場しますが これは あくまでフィクションです