時は2020年・・・
小さな島の中にひっそりとたたずむ、さびれた研究室に、1尾(?)の男が訪れた。
「お久しぶりなのであ~る。」
「おお、生きておったのか。久しいのう。さあ、あがりなさい。」
「遠慮なく、お邪魔するのであ~る。」
「おぬしが発掘団を去ってもう9年も経つかの……。今までどこで何をしておったんじゃ?いや、答えずともよい。またぞろ、お宝の噂でも追いかけておったんじゃろ。」
「博士には敵わないであるな。ひとつ冒険が終わって、少し落ち着いたので立ち寄ったのであ~るよ。」
「ふん、おぬしの土産話はいちいちスケールが大きいから、それはまた今度じゃ。それに、今日は別の話がしたくて来たのであろう?」
「本当にあなたには敵わないであ~る。その通りであるよ。博士、今日が何の日か覚えているであ~るか?」
「忘れるわけがないじゃろう。今日はおぬしがあの船を降りた日、つまりAMANAMIが解散した日じゃ。」
「そのとおりであ~る。皆元気にしているであるか?」
「元気にしておるよ。まあ、元気があいつらの売りじゃからのう。」
「それを聞いて安心したであ~る。なにしろ突然だったであるからな。」
「まったく、あいつらからしてみれば青天の霹靂じゃったろうて。あれほどおぬしを慕っておったのじゃからな。おぬしも同じようにあいつらを大事にしておったから、当然と言えば当然じゃがのう。Ebi's号の船員は特におぬしを尊敬しておったわ。うん?そういえば、わしらが再会した時からおぬしらは仲が良かったのう。わしはガルフィン号に乗っていたから知らんのじゃが、おぬしらはどうやって知り合ったんじゃ・?」
「そういえば話したことはなかったであ~るな。あれは10年前の春のことであ~る。」
「まあ、待ちなさい。話が長くなるじゃろうから、お茶でも淹れよう。おぬしは塩こぶ茶が好きじゃったかの?」
to be continued